刀煉

私たちの思い

刀剣のレンタル事業に関して

昨今の私たちの周りは、物の溢れる時代となりました。
人はより便利な物を求め、新商品が並び、物を大事に長年使う時代から、
低価格化も進み消費する時代になりました。
そして、消費する時代が現在では、レンタルやシェアする時代に変わりつつあります。
「所有から使用へ」と消費者の意識が変わってきている時代です。
DVDのレンタル、漫画のレンタルは代表的なもので、電化製品やカメラ、
高級時計等もレンタルできるようになりました。
車もレンタカーがありますし、都会では、カーシェアの比率が年々上がってきています。
経済状況や思考の変化で時代が変わりつつあるのが現状だと思います。
ただ、上記は、日本人特有の心使い、物を大事にする心があることが前提で
広がった市場である事を忘れてはいけません。

では刀剣は、どうでしょうか?
昔から、敷居の高い物、高級品というイメージがあり、一部の方しか持てない物というのが定説でした。
一部の方のステータス、これはとても大事なことで、
誰も持っていないからこそ高いお金をだしてまで買う価値があるのです。
刀剣の全盛期、バブルの頃まではそれでよかったのです。

ただ、現在はあまりに刀剣人口が減りすぎてしまったと思います。
現在の刀剣の価格の下落もこれにつながっています。
これは一刀剣商として今後の刀剣業界全体を考えたときに、
愛刀家を増やすことが絶対的責務なのだと思いました。
刀剣愛好家の層を広げるため、良い意味で刀剣の世界に入る敷居をどうにかして下げたいと考えていました。
いくら刀が安くなったといえども、いきなり20万円、30万円は大金ですので
誰もが中々入れる世界ではなかったのだと思います。

刀剣には大きく分けて、所有する喜び、勉強する喜び、使用する喜び(居合等)この3点があります。
そして、初心者から、上級者の方にも共通して言えることは、勉強する喜びは変わらないという事です。
刀剣を勉強したくとも、本を読むだけでは中々頭に入りません。(私もそうでした。)
美術館、勉強会で鑑賞することももちろん良いのですが、
やはり自宅でじっくりと鑑賞することが、頭には入りますし、この上ない楽しみになります。
誰の目も気にせず手に取れるという体験をしてもらい、日本文化に触れるすばらしさを経験してもらう。
知識や経験が増えれば、無知という怖さが無くなり、また自分の好みも見つけることができます。
近年では、仲間内での鑑賞会等も増えてきたと聞きます。
そういった際に、刀集めも大変かと思いますので参考にして頂いても良いかと考えております。

レンタル事業は購買意欲が下がり刀剣市場が小さくなるのではないかとも言われるかもしれませんが、
刀剣を熟知することで失敗が無くなり、安心感につながる事により購入に繋がっていくと考えます。
また、愛刀家が増えることで、いままで非認知層のすくい上げもでき
業界全体も良くなっていくのではないかと考えたわけです。
人間、分からない物、知らない物にはお金を使う事が中々できませんので。
このように、もっと認知や経験されることが刀剣業界の発展につながると思い
今回刀剣レンタル事業を開始した運びとなりました。

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